名刺を安く作成する発注手順と用紙選び
この記事の要点
- ネット印刷で最長納期(5〜7営業日)を選ぶと単価を大幅に抑えられる
- 用紙は四六判180〜220kgの標準紙を選び、薄すぎによる失敗を防ぐ
- 展示会開催の30日前に枚数を集約し、20日前に発注すれば特急費用を回避できる
名刺を安く作成するには、ネット印刷会社を利用し、納期に余裕を持たせて標準的な厚みの用紙でまとめて発注することが最も効果的です。一般的なモノクロや片面カラーの仕様であれば、100枚あたり数百円から1,000円前後の価格帯で手配できます。
名刺の単価は「用紙の種類」「印刷の色数」「発注から納品までの日数」「一度に刷るロット数」の4つの要素で決まります。特に展示会などのイベントを控えている場合は、直前発注による割高な特急料金を避け、前もって手配を進める計画性がコスト削減に直結します。
名刺の作成費用が安くなる仕組みと単価の違い
名刺の発注費用を抑えるためには、印刷会社が設定している価格体系の仕組みを把握しておく必要があります。
納期設定による価格の変動
ネット印刷の多くは、注文から出荷までの営業日数が長くなるほど価格が安くなる価格設定を採用しています。当日出荷や翌日出荷といった特急納期を選択すると、工場のライン割り当てや個別対応のコストが上乗せされるため、価格は高くなります。
一方で、注文から出荷まで5営業日から7営業日程度の猶予を持たせると、同一の仕様であっても大幅に低い価格で発注が可能です。急ぎでない名刺は、できる限り長い納期を選んで発注することが基本となります。
用紙と加工の選び方
用紙は、印刷会社が大量に仕入れて常備している「標準紙」を選ぶと費用が抑えられます。代表的な用紙には以下の種類があります。
- 上質紙:光沢がなく筆記性に優れる用紙。文字中心のデザインに向いており、安価に抑えやすい特徴があります。
- マットコート紙:光沢を抑えた落ち着いた質感の用紙。写真やロゴの発色と読みやすさのバランスが取れています。
- コート紙:表面に光沢があり、写真や鮮やかな色合いを再現しやすい用紙です。
特殊なテクスチャを持つファンシーペーパーや、角丸加工、箔押し、エンボス加工などの特殊加工を追加すると、用紙代や加工工数が加算されて単価が上がります。費用を最優先にする場合は、標準紙の標準的な厚み(四六判で180kgから220kg程度)を選び、表面加工を行わないシンプルな仕様に仕上げます。
色数と片面・両面の選択
印刷仕様は「片面モノクロ」「両面モノクロ」「片面カラー」「両面カラー」に分かれます。最も費用が安いのは片面モノクロですが、自社のロゴや事業内容を伝える必要がある場合は片面カラーが選ばれるケースが一般的です。
裏面に事業案内や取扱サービス一覧を掲載するために両面印刷を選ぶと、片面印刷に比べて費用はおおよそ1.2倍から1.5倍程度に上がります。伝えたい情報の優先順位を整理し、裏面が本当に必要かを精査することも費用抑制につながります。
展示会に向けた名刺発注のスケジュールと準備手順
展示会などのイベントで名刺を大量に配る予定がある場合、直前に慌てて発注すると特急料金が発生し、予算を圧迫します。開催日から逆算した手配手順を把握しておくことが重要です。
開催30日前:担当者ごとの必要枚数の算出とデータ確認
開催の30日前には、営業担当者およびブースに立つスタッフの必要枚数を集約します。普段の営業活動で消費する量に加え、展示会期間中に配布する分を加味して算出します。1日あたり数十枚から100枚程度を想定するなど、会期の日数と参加人数に応じた総数を割り出します。
同時に、役職の変更、オフィスの移転、メールアドレスの変更など、記載情報に修正がないかを各人に確認します。修正が必要な場合は、Illustratorなどのデザインデータや印刷会社のオンライン編集ツールを用いて修正作業を進めます。
開催20日前:入稿データの最終チェックと発注手続き
開催の20日前には、修正したデータの文字校正(誤字脱字、電話番号やURLの確認)を複数名で実施します。展示会直前に誤記が見つかると刷り直しになり、二重の費用がかかります。
校正が完了したら、出荷までの日数を最長(5〜7営業日程度)に設定して発注します。複数人の名刺を同時に発注する場合、印刷会社によっては「名刺複数人割引」や「まとめ割」が適用される場合があるため、可能な限り一括で注文します。
開催10日前:納品物の検品と仕分け
開催の10日前には、刷り上がった名刺が手元に届きます。箱を開けて以下の点を確認します。
- 印字にかすれやズレがないか
- 氏名や役職、連絡先に誤りがないか
- 注文した枚数が揃っているか
万が一、印刷不良や配送事故があった場合でも、開催10日前であれば通常の納期で刷り直しを手配できる余地があります。
開催3日前:ブース持ち込み備品への同梱と配布準備
開催の3日前には、納品された名刺をスタッフごとに仕分け、展示会場へ発送する荷物や各自の手荷物へまとめます。展示会の現場では想定以上に名刺を配る場面があるため、予備として各スタッフ数十枚程度を余分に会場へ持ち込む準備をしておくと安心です。

東京ビッグサイトと幕張メッセで開かれる商談向けの展示会を、毎週集めて1枚のカレンダーにしています。分野を選んで登録すると、合う展示会が毎週月曜の朝に届きます。登録も利用も無料です。
法人展示会カレンダーを見る →コストを抑える際によくある失敗例と対策
安さだけを追求して発注した結果、実用に耐えなくなって再発注になる失敗例が見られます。よくある失敗のパターンを把握し、事前に防ぐことが大切です。
用紙が薄すぎて頼りない印象になる失敗
印刷会社によっては、非常に薄い用紙(四六判160kg未満など)を選択することで価格を極端に下げられる場合があります。しかし、薄すぎる用紙は手に取ったときに頼りない印象を与えたり、名刺入れの中で折れ曲がったりしやすくなります。
用紙を選ぶ際は、一般的な名刺の厚みとされる四六判180kgから220kg程度の厚みを選ぶことが無難です。この範囲の厚みであれば、標準紙として低価格で提供されていることが多く、品質と費用のバランスを保てます。
色の再現性が合わずロゴの印象が変わる失敗
パソコンの画面上で確認した色(RGB)と、実際に印刷される色(CMYK)は発色の仕組みが異なります。画面上では明るく鮮やかに見えていたコーポレートカラーが、印刷してみると暗く沈んだ色合いになってしまうケースがあります。
特に会社の顔となるロゴマークは、CMYKの数値指定を正確に行い、色のブレを防ぐ配慮が必要です。初めて利用する印刷会社や用紙の場合は、少量ロットで試し刷りを行うか、カラーチップ等で色味を確認してから大量発注を行うと確実です。
配送遅延や締め切り超過による特急料金の発生
発注時のデータ不備(トンボの設定不備、フォントのアウトライン化漏れ、画像の解像度不足など)があると、データチェックで再入稿を求められ、作業が数日間ストップすることがあります。
その結果、当初予定していた最長納期ではイベントに間に合わなくなり、やむを得ず特急納期へ変更して割高な追加料金を支払う事態に陥ります。入稿規定は必ず発注前に確認し、余裕を持ったスケジュールで入稿を完了させることがコスト削減には不可欠です。
なお、展示会出展や販路開拓にかかる経費については、国や自治体の支援制度が活用できる場合があります。最新の支援施策や公募要領については、中小企業庁の公式案内を確認してください。
発注先と仕様による費用の違い
発注先や印刷の方式によって、向いている用途と費用の水準が異なります。目的に応じた適切な選択をすることが大切です。
オンデマンド印刷とオフセット印刷の使い分け
名刺の印刷方式には主に「オンデマンド印刷」と「オフセット印刷」があります。
オンデマンド印刷は版を作らずにデジタル印刷機で出力するため、100枚から300枚程度の小ロットでも安価に作成できます。少人数の名刺作成や、部署・役職の変更が頻繁にある場合はオンデマンド印刷が適しています。
一方、オフセット印刷は金属の版を作成して印刷するため、少部数では割高になりますが、1,000枚を超えるような大ロットでは1枚あたりの単価が非常に安くなります。全社共通のショップカードや、短期間で大量に名刺を配る大規模展示会で大人数分の名刺を一括作成する場合には、オフセット印刷を検討する価値があります。
経費処理に関して不明点がある場合や科目の取り扱いについては、国税庁のタックスアンサーや専門の税理士等へ確認の上、適切に計上を行ってください。
この記事を紹介・引用するときは
下のリンクをそのまま貼ってお使いください。文章を引用されるときは、出典としてこのページへのリンクをお願いします。



