展示会オリジナルノベルティの作り方と発注スケジュール
この記事の要点
- 開催90日前までにアイテムを選び実物サンプルを取り寄せて確認する
- ばらまき用は1個50〜150円、着座用は500〜1500円程度で分ける
- 重い物やかさばる物は避け持ち歩きやすさとブース内保管量を考慮する
展示会で配るオリジナルノベルティ(Original Novelty:自社名やロゴを入れた記念品や販促品)は、単に来場者を集めるだけでなく、会期後に自社を思い出してもらうきっかけを作るために制作します。効果的な配布を行うには、誰に渡すかを明確にしたうえで、開催の約2〜3か月前から仕様決定と発注を進める計画性が不可欠です。
新規開拓を目指す中小企業の営業やマーケティング担当者にとって、限られた予算のなかで何を作り、いつ手配すべきかの判断は頭を悩ませる部分です。この記事では、展示会に向けたオリジナルノベルティの選び方、費用感、そして時系列に沿った発注・納品の手順を整理します。
オリジナルノベルティの役割と選定基準
展示会ブースで配布するアイテムには、通りがかりの来場者を立ち寄らせる「引力」と、商談後に会社へ持ち帰ってもらい接点を残す「記憶の定着」という2つの役割があります。
専門用語解説:リードジェネレーション(Lead Generation)とは
リードジェネレーション(Lead Generation:見込み顧客の獲得)とは、展示会やWebサイトなどの施策を通じて、自社の商品やサービスに関心を持つ見込み客の連絡先や情報を集める活動全般を指します。
ノベルティを無差別に配布すると、景品目当ての来場者ばかりが集まり、肝心の見込み顧客の情報が集まらないという失敗が起きやすくなります。自社のターゲット層が業務で日常的に使えるものか、持ち帰る際に負担にならないサイズや重さかを考慮して品目を選定することが大切です。
配布対象に応じた単価設定
制作単価は、配布する対象によって分ける運用が一般的です。すべて同じ品物にするのではなく、接点の深さに合わせて2種類程度を準備すると無駄な費用を抑えられます。
- 通路を通る不特定多数の来場者向け:名入れボールペン、除菌シート、付箋など(単価はおおよそ50円〜150円の範囲)
- ブース内で着座商談をした来場者向け:ステンレスタンブラー、モバイルバッテリー、上質なノートなど(単価はおおよそ500円〜1,500円の範囲)
制作費用の総額はロット数によって大きく変動します。小ロットでは1個あたりの印刷代(版代など)の割合が高くなり、大ロットになるほど単価が下がる傾向にあります。会社の年間予算や出展規模に応じて調整してください。なお、ノベルティ製作費用の仕訳や税務上の取り扱いについては、関連法令や所轄の税務署、または国税庁の公式案内を確認し、税理士等の専門家へ相談のうえで適切に処理してください。
開催何日前に誰が何をするか:準備と発注の時系列
ノベルティの納品が会期に間に合わない事態を防ぐため、「開催の何日前に・誰が・何をするか」をあらかじめスケジュール化して動きます。
開催90日前〜60日前:企画とサンプルの確認(マーケティング担当・営業担当)
展示会の約3か月前には、企画内容を固めます。
- 配布ターゲットと配布予定数量の決定(商談予定数やブース規模から算出)
- アイテム候補の絞り込みと見積もりの取得
- サンプルの取り寄せと品質の確認
画面上のカタログだけで発注すると、実物の質感が安っぽかったり、印刷されたロゴの色味がコーポレートカラーと異なっていたりするトラブルが発生します。必ず実物サンプルを取り寄せて、サイズ感や使い勝手を手元で確かめます。
開催60日前〜45日前:データ作成と正式発注(デザイン担当・総務担当)
約2か月前には入稿データを完成させ、発注を完了させます。
- ロゴや社名のアウトラインデータの作成(指定の印刷範囲に収める)
- ノベルティ制作会社への正式発注と校正刷り(試作印刷)の確認
- 支払条件や納期の最終確定
連休や工場の繁忙期が重なると、通常より納期が延びる場合があります。海外生産を伴うアイテムでは船便の遅延リスクもあるため、国内在庫への名入れであっても余裕を持った発注が必要です。また、中小企業が展示会出展や販促品制作にあたって公的支援の活用を検討する場合は、事前に中小企業庁や各地の商工会議所が案内する施策や公募要領を確認してください。
開催30日前〜14日前:納品・検品と保管場所の確保(出展事務局・営業担当)
約1か月前から2週間前には実物が納品されます。
- 届いたダンボールを開封し、印刷のズレや破損がないか検品
- 展示会場へ直接搬送するか、一度自社に保管するかの輸送手配
- 展示会当日のスタッフへの配布ルールの周知
会場への直接搬入を指定する場合、主催者が指定する運送便の送り状ルールや搬入日時の指定を厳密に守る必要があります。自社から会場へ持ち込む場合は、運搬用車両の手配や台車の準備もこの段階で行います。

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法人展示会カレンダーを見る →よくある失敗例と配布時の注意点
ノベルティ製作では、事前の想定不足から現場で混乱が起きるケースがあります。
失敗例1:重くかさばる品物を選んで持ち帰りを断られる
陶器のマグカップや分厚いカタログホルダーなど、重量があるアイテムは展示会場内を持ち歩く来場者にとって大きな負担となります。結果として受け取りを拒否されたり、最寄りのゴミ箱に廃棄されたりする事態が生じます。持ち帰りのしやすさを最優先に考え、薄型・軽量、または自社のロゴ入り手提げ袋と一緒に配るなどの配慮が必要です。
失敗例2:名入れの主張が強すぎて普段使いされない
自社の会社名や製品ロゴを大きく全面に印刷しすぎると、来場者がオフィスや私生活で使いにくくなります。ワンポイントのシンプルな刻印や、裏面・端へのさりげない配置に留めたほうが、長く手元で使ってもらえ、結果としてブランドの想起につながりやすくなります。
失敗例3:ブースのストックスペースに入り切らない
大量に発注したダンボールがブース裏の小間内スペースを圧迫し、スタッフの待機場所や商談資料の置き場を奪ってしまうトラブルも頻発します。ブース内に置ける箱数は事前に測っておき、入り切らない分は会期各日の朝に会場へ小分け配送するなどの手配を検討してください。
計画的なスケジュール管理とターゲットに即したアイテム選びを行うことで、展示会後の商談やアプローチにつながるオリジナルノベルティの運用が実現できます。
よくある質問
- Q. 展示会のオリジナルノベルティは何個くらい用意すべきですか?
- A. ブースの規模や想定する立ち寄り人数によって幅がありますが、小型ブースでは数百個、中型以上のブースでは1,000〜3,000個程度を用意するケースが一般的です。余った場合の社内利用や次回展示会への繰り越しも考慮して発注数を決定します。
- Q. ノベルティの発注は最短でどのくらいの日数がかかりますか?
- A. 国内既製品への名入れ印刷であれば2〜3週間程度で対応できる会社もありますが、デザイン校正や予期せぬ配送トラブルを考慮すると、開催の45日前までには正式発注を完了させるスケジュールが安全です。
- Q. ノベルティに印刷する内容は社名とロゴだけで十分ですか?
- A. 基本は社名やロゴで十分ですが、自社サイトへのアクセスを促す短縮URLや検索キーワードを小さく添える場合もあります。ただし情報を詰め込みすぎると日常で使われにくくなるため、視認性と使いやすさのバランスが重要です。
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